亡くなった後の手続き
未婚の方、配偶者に先立たれた方、それぞれの人生を過ごしてきた中で、今現在、一人暮らしをしている方は、自分が亡くなった後の事に不安に感じています。
そこで、人が亡くなった後の手続きの流れと、その手続きに対してどのような準備が出来るのかを見てみましょう。
1.葬儀場又は自宅へ遺体を移動する
現在では、4人中3人の方が病院で亡くなっています。自宅で亡くなり、自宅で葬儀を行う場合以外は、葬儀を行う場所へ遺体を移動する必要があります。移動をする前に死亡診断書(死体検案書)の交付についても確認します。 死亡診断書(死体検案書)の交付を受けたら、市区町村役場へ死亡届を提出します。同時に火葬許可申請書を提出し、火葬許可証の交付を受けます。<準備できること>
・ 葬儀の生前予約・ 事前に委任契約をする2.葬儀、火葬
亡くなった方の宗教による葬儀を行ったのち、火葬の流れとなります。葬儀は宗教によって手順や作法が異なりますが、日本において一番多く行われている仏式の葬儀においても色々な形で行われています。 従来からの「一般葬」、近親者のみで行う「家族葬」、
通夜を行わない「一日葬」などです。
また、最近では葬儀を行わない「直葬」が首都圏で増えていますが、人が亡くなったのち24時間以上経過しないと火葬することができないため、その間の遺体を安置する場所が必要となります。
宗教や葬儀の形、連絡してほしい友人など希望がある場合は事前の準備が必要です。
<準備できること>
・ 葬儀の生前予約・ エンディングノートを書く・ 事前に委任契約をする3.健康保険、公的年金
「国民健康保険資格喪失届」や「年金受給者死亡届(報告書)」など、加入の状況に応じて必要な手続きをします。葬祭費や未支給年金についても手続きを行います。<準備できること>
・ 事前に委任契約をする4.住居の遺品整理及び解約
遺品整理は、家族と同居している方が亡くなった場合でも、多かれ少なかれ必要となります。ましてや、アパートなどに一人で住んでいた方が亡くなった場合、室内の全てを片付ける必要があります。その後、住居の賃貸借契約を解除します。 持ち家に1人で暮らしている方が亡くなった場合は、土地建物の相続、贈与又は売却などの譲渡が必要となります。<準備できること>
・ 不用品を捨てて物を減らす・ 事前に委任契約をする5.ガス、電気、水道等
いわゆるライフラインをはじめ、新聞や電話、クレジットカードなどの契約を解除します。料金を銀行口座からの引き落としや、カード払いにしている場合は、解約するまで料金を払い続けることとなります。銀行口座が凍結されて料金の支払いができなかった時は、個別に払込票などでの支払いが必要となります。<準備できること>
・ 事前に委任契約をする6.税金関係
住民税、自動車税など、未納の税金があれば納付します。また、個人で事業をされていた方や、医療費を多く払っていた方については準確定申告を行います。<準備できること>
・ 事前に委任契約をする7.納骨
お墓や納骨堂などへ納骨します。最近では、樹木葬や散骨など様々な形の弔い方があります。希望がある場合は、お墓や納骨堂の生前予約をする、希望があることを分かるようにしておく等の準備をする必要があります。<準備できること>
・ お墓や納骨堂の生前予約をする・ 事前に委任契約をする8.銀行などの金融機関の手続き及び遺産分割
銀行や証券会社などの金融機関の口座を解約します。病院への支払い、税金の納税、借金などの債務を勘案し、プラスとなる場合は、相続人の間で遺産分割を行います。「遺産を寄付をしたい」「お世話になった友人へ遺産を渡したい」といった希望がある場合は、遺言書を作成するといいでしょう。<準備できること>
・ 遺言書を作成する 亡くなった方や、家族の状況によって前後する部分もありますが、基本的な流れは以上の形となります。
葬儀やお墓などは生前準備で対応することができます。
また、金融機関の口座解約やその後の遺産分割については遺言書を作成しておくとスムーズに行うことができるでしょう。
しかし、それ以外の部分(流れの項目の中で「事前に委任契約をする」部分)に関しては、実際に手続きをしてくれる人にお願いするしかありません。頼れる親族がいない、世話になりたくない、というのであれば、他の人にお願いするしかありません。口約束ではちゃんとやってくれるか不安な為、契約書を作成します。
これを「死後事務委任契約」といいます。自分が亡くなった後に行ってほしいことを具体的に書面で依頼します。
当事務所は死後事務委任契約書の作成だけでなく、ご希望の手続きをお手伝いします。不安に思っていること、亡くなった後にしてほしいこと、まずはご相談ください。